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着物のいろは

自分にピッタリな着物を選ぶには?3つのポイントで選ぶ着物のサイズ

自分にピッタリな着物を選ぶには?3つのポイントで選ぶ着物のサイズ

着物とは、私服としても正式な場でも着ていける素敵なアイテムです。季節のことも考えられた風情のある着物を、ぜひ一度着てみませんか?しかし「着物に興味があって着てみたいけど、サイズがわからない」なんて不安をかかえている人がいるかもしれません。そこで本記事は、そういった悩みを解決する「自分にピッタリな着物の選び方」についてご紹介していきます。参考にしてみてくださいね。

着物の着付け

着物のサイズと使う単位

「着物のサイズは、着付けでカバーできるからだいたいで大丈夫」なんて聞いたことがあるかもしれません。実際には、着付けでカバーできる許容範囲は決まっています。それ以上のサイズのズレは、着物を綺麗に着ることができないことはもちろんのこと、当然着崩れもしやすくなってしまいます。正しいサイズで、美しく着物を着こなしましょう。

そして、着物というと「寸(すん)」や「尺(しゃく)」といった単位を聞いたことがあるでしょうか。「1寸=約3cm、1尺=30cm」が尺貫法(しゃっかんほう)と呼ばれる測り方です。
着物の長さは基本的に、良くあるメートル法[mm、cm、m]では表現しません。現代の日本は、洋服が一般的に着られることが多く、全ての長さの単位はメートル法によって表すと規制されています。着物業界は古き良き伝統をそのまま引き継いでいるのです。この尺貫法は、着物業界だけではなく、建築業界や包丁職人の間でも使われています。

ちなみに、「尺」にも2種類あります。1つ目の「曲尺(かねじゃく)」は約3cmで、2つ目の「鯨尺(くじらじゃく)」は3.8cmです。少しの差ですが、着物を制作する際には大きく変わってきます。

単位も普段使い慣れているものと違うので、少し難しいイメージですが、中身を見てみると思っている以上に簡単なことがわかるでしょう。普段着物を着慣れていない人に着物の良さを伝え、着物を身近に感じてもらえたらと思います。ここからは、着物のサイズについて詳しく見ていきましょう。

着物のサイズの測る場所と測り方

着物のサイズを測るときに3つの大きなポイントがあります。この3つを意識して着物を選ぶだけで、しっかりと自分にあった着物を見つけられるでしょう。参考にしてみてくださいね。

・一つ目のポイント:身丈(身長の±5~10㎝)

「身丈(みたけ)」とは、着物の衿つけの部分から裾までの全長のことです。

前述の通り、身丈は自分の身長±5〜10cmで測ってください。女性の場合はこれくらいの誤差があっても、着付けでカバーできます。「おはしょり」といって帯の下で調節することができるので、袖を通したときに着物の裾が床にズルくらいがちょうど良いと考えられています。また、男性の場合は、直立して首の後ろ中央の骨の突起(頸椎点)から、かかとの中心部まで真っ直ぐに測ります。男性の着物にはおはしょりはないため、しっかりとサイズを測ることをおすすめします。

さらに、身長だけではなく体型や好みも考えてサイズを選ぶと、より綺麗に着ることができます。例えば、腰紐を高い位置で結びたい方や体型がふくよかな人は、少し長めの着物を選ぶと良いでしょう。

豆知識として、長襦袢と呼ばれる肌着は、「身長×0.85」の長さのものを選びましょう。この計算式で出した数字で選ぶと、ちょうど自分の足首のくるぶしあたりにくるはずです。長すぎる長襦袢は着物の裾からはみ出してしまい、綺麗に着れませんので注意しましょう。そして、寒いときに着物の上から着る「羽織」は裄より1cmほど長いものを選ぶとちょうど良いでしょう。羽織も適当に選んでしまい、長すぎたり短すぎたりすると不恰好な着物になってしまいますの注意が必要です。

・二つ目のポイント:身幅

「身幅(みはば)」とはヒップ(つまり、腰回りで最も出ている部分)のことをいいます。

身幅の長さは、「後幅+後幅+前幅+おくみ幅」ということになっていますが、着物を着るときには「肌襦袢」とよばれる肌着を下に着るため、ぴったりのサイズで選んでしまうと、少し小さくなってしまうので注意しましょう。そして「おくみ幅」とは着物の前身頃(まえみごろ)に付いている、おくみの幅のことで、おくみ幅は基本的に4寸(約12cm)と決まっています。

着物を着て、脇の縫い線が体の真横にきたときに、体の前面が前幅とおくみ幅によって覆われているか確認してください。この幅が狭いと、はだけやすくなってしまいます。また、後ろ側ですが、帯より上の「背中心」と呼ばれる縫い線は体の中心になっていると良いでしょう。ちなみに、帯より下の背中心はずれていても問題ありません。
着物の身幅が広いと背中心が体の右のほうにずれてしまい、身幅が狭いと体の左へとずれてしまいます。

また、お茶会などで動きが多い時は、前幅を広めにとると動きやすくなります。さらに、ヒップの大きめの方は、後幅を広めにとると動きが楽になるでしょう。
着物には、LやLLといったサイズはなく、ヒップを中心に、前幅と後幅でサイズを確認していきます。

・三つ目のポイント:裄(±3㎝)

「裄(ゆき)」とは、背中心から袖口までの長さのことで、着こなしの好みにもよりますが、±3cmまででしたら、問題なく着れる範囲です。

自分で裄の長さを測る際には、「手を45度くらいに上げた状態」で測ります。首の後ろの中心から肩のラインを通って、手首のグリグリした骨までの長さを測ります。着物を着たときに、手首のグリグリが隠れるくらいがちょうど良い長さと言えるでしょう。
しかし、生地によって仕上がりが違うことがあります。柔らかい生地から硬いの丈夫な生地まで、様々な生地で着物は出来ています。ただ置いた状態で裄を測っても、仕上がって着た際に短かったということは珍しくはありません。仕上がりは、必ず一度羽織って確認してみましょう。また、生地の性質までを考慮して着物を仕立ててくれる仕立て屋を探してみることも、さらに着物の世界を知っていけると思います。

また季節によっても違いがあります。裄の長さは基本的に、上記で述べたように、手首のグリグリが隠れるくらいが良いですが、夏物の着物を仕立てるときには少し短めでも涼やかに着こなせるでしょう。

「袖丈」は袖の上下の長さをさします。袖丈はお好みで長さを決めることができますが、基本的には身長が155〜165cmに対して49cmで作られます。それ以上の身長の方は5分(1寸の半分、約1.5cm)〜1寸足し、それ以下の身長の方は引きます。また、既製品の着物はほとんど袖丈49cmで統一されています。日本人女性の身長の平均が関係しているのでしょう。

まとめ

いかがでしたか?本記事は「自分にぴったりな着物の選び方についての3つのポイント」をご紹介してきました。着物とは大きな布を帯で締めて着るものだから、あまりサイズなどないものと思っていた方も多かったのではないでしょうか。サイズが合わないと、美しい着こなしになりません。そして、背中心などがズレていると、他人から見てサイズが合っていないことがわかってしまいます。
「身丈」「身幅」「裄」の3点をポイントに着物を選ぶと、自分にぴったりのサイズで着物を楽しむことができるでしょう。仕立て屋で自分の着物を仕立てるときには、仕立て屋のプロがいますから安心ですが、既製品をご自身で購入する際には実際に試着させてくれるお店を探すのも、良い着物に出会える手段だと言えます。本記事の内容を参考にしながら、快適な着物ライフを過ごしてみませんか。

着物の後ろ姿

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