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着物のいろは

夏着物に合う和装小物についてご紹介!素材や特徴など

夏の着物や浴衣

「夏に着物を着てみたいけど、着こなしがわからない」、「浴衣を着て出かけたいけど、バッグや履物がわからない」など、夏着物のコーディネートには迷いますよね。

夏の着物に合わせるバッグや履物には、夏向きの素材や柄をあしらったものを選びましょう。また着付け小物の中には夏でも涼しく着物を着られるように、工夫を凝らしたものがありますよ。

今回は夏着物にぴったりの素材や特徴などをご紹介します。

夏着物には夏の小物を合わせよう!

夏着物

夏着物には夏用の小物、履物やバッグを合わせましょう。軽やかで透け感のある夏着物には涼しげな籐や竹のかごバッグ、麻のバッグなどがよく合います。夏らしいかごバッグを合わせる夏着物にはどのようなものがあるのでしょうか。

夏の着物には薄物や単衣などの種類があり、それぞれ時期に合わせて選びます。着る時期の目安は次の通りです。

胴単衣(胴抜き仕立て) 5月、10月~11月

単衣          6月、10月

絽、紗         7~8月

浴衣          6~9月

胴単衣は、胴裏(どううら)がなく八掛(はっかけ)だけを付けて仕立てられた単衣の着物です。単衣を着るには早いけど、袷を着るには暑いという時期に重宝します。最近の気候で暖かい日が長く続いたときや、暑がりの方には便利な着物ですね。

着物は寒い時期は袷、春には胴単衣から単衣へ、盛夏には絽や紗を着るようになります。最近では春の早い時期から単衣や浴衣を着る傾向にあるようです。

夏の帯には絽、紗、羅、麻などがあります。織り目が粗く透け感があるのが夏の帯の特徴です。羅の帯は荒い織り目の透け感を楽しむため盛夏(7〜8月)に、それ以外の帯は夏着物を着る時期であれば締めることができます。

夏の装いには夏用の小物を合わせて夏らしさを演出します。草履や下駄、バッグなど夏用の素材や色使いのものを合わせると一気に夏らしさが感じられますよ。

夏の着付け小物について

着付けに必要な小物には、夏でも快適に着物を着られるように作られているものがあります。着付け小物はほとんどが通年使えるものですが、少しでも涼しく着物を着たいという方は夏用の小物をそろえてもいいでしょう。

着付けに必要な小物は次の通りです。

着付けに必要な小物夏着物浴衣用途
足袋礼装は白、カジュアルに着こなすときには色足袋も。
肌襦袢、肌着二部式で上を肌襦袢、下を裾除けという。上下がつながったワンピースタイプもある
長襦袢着物の下、肌襦袢の上に着る
半衿・衿芯半衿は長襦袢に付け、その中に衿芯を通す
腰紐、胸紐、仮紐着付けるときに使う紐
伊達締め長襦袢、着物の身頃を押さえる
コーリンベルト着物の身頃、衿を押さえる
帯板前帯の内側へ入れる
帯枕お太鼓の山を作る
帯揚げ帯枕にかけて使用
帯締め帯結びが崩れないように結ぶ
帯留め帯締めを通して留める
履物草履下駄草履は足袋を履き、下駄は素足で履く

主な素材

羅の帯と絽の着物

夏着物や着付け小物は、涼しく着られるよう熱がこもらない素材で作られています。夏用の肌襦袢や肌着の素材の多くは麻や接触冷感素材、竹を原料にした繊維などです。

夏用の着付け小物は、衿芯や腰紐などはメッシュで、帯板や帯枕には「へちま」を使用して作られています。またスケルトンの帯板は、薄い色が多い夏の帯に色が透けないように作られています。

このように着付け小物は、暑い日でも快適に着物で過ごせるような素材を使って工夫がされています。

絽や紗、羅など織を楽しむ

夏のお着物と小物

夏着物では「絽」や「紗」、「羅」などという言葉をよく聞きます。これらは夏の着物で使われる、織り目にすき間がある織り方をした布のことです。

」とは、絽目という透ける部分が一定の間隔で入る織物。多くは横に絽目が入りますが、縦に絽目が入る「縦絽」という織り方もあります。「絽」は夏の織物の定番で、黒留袖や色留袖などの正装にも使われている織地です。夏の半衿にも「絽」が使われています。

」とは全体的にすき間がある織り目で、通気性が高く夏の暑い日でも涼しく着られます。正装に用いられることは少ないですが、カジュアルに着やすい着物として仕立てられます。

」とは、特殊な織り機を使った織り方で、織り目が粗く夏でも涼しく着られる織物です。一度途絶えていた技術を現代の職人が復活させた希少な織物なのだとか。帯などでよく使われている織物です。

長襦袢と半襦袢どっち?

半襦袢

襦袢(じゅばん)は着物の下に着る下着のような役割をするものです。襦袢には長襦袢、肌襦袢、半襦袢などと呼ばれているものがありますが、それぞれ違う役割を持っています。

長襦袢は、着物と肌襦袢の間に着ます。袖口や袖付けの下「振り」の部分から色が見えるため、着物の色に合わせて選びます。ジャケットの中に着るインナーのイメージです。ちらりと見せることを計算して色を選ぶのも楽しいですよ。

長襦袢は着物に合わせた寸法で仕立てましょう。袖や裾がもたつくことなくすっきりと着られます。

半襦袢とは長襦袢と肌襦袢の良いところをとった襦袢です。衿と袖を長襦袢風にして、上半身のみ着用するため「うそつき」と呼ばれています。長襦袢と肌襦袢の重ね着をしなくて済むので、暑い日の襦袢として着られますね。

夏着物と浴衣の小物の違い

夏ゆかたの下駄

夏着物と浴衣共通で使える小物はありますが、「夏の着付け小物について」の表のように、着物と浴衣では使用する着付け小物が異なる場合があります。

夏の履物には草履と下駄があります。基本的に着物には草履を、浴衣には下駄を合わせますが、最近は夏着物をカジュアルに着こなしたいときに下駄を合わせることも。昔からの決まりごとにはとらわれず、和装を楽しむ方が多いようです。

浴衣と下駄の装いのときにレースの足袋を履いたり、浴衣に重ね衿をつけたり、自由におしゃれを楽しむ傾向にあります。下駄をサンダルの感覚で合わせるとコーディネートしやすいですよ。

参考ブログ記事:
浴衣と着物は違う?意外と知らない見分け方と着用シーン>>

草履やバッグも夏物がある?

浴衣とかごバッグ

草履やバッグの素材について具体的に見ていきましょう。草履やバッグには通年で使えるもの、季節ごとで使う素材があります。

草履の夏素材では一般的にがよく使われています。ラフィアや帆布などの素材でおしゃれなデザインの草履もあるようです。

フォーマルな場では通年履けるエナメルの草履で合わせます。正装では白に近い色と言われていますが、カジュアルな着こなしでエナメルの草履を履くときも淡い色で合わせると夏っぽくキレイにマッチします。

夏着物用バッグの主な素材には麻、籐、絽や紗などがあります。カジュアルなコーディネートでは、かごバッグが根強い人気です。浴衣などにもかごバッグはぴったりですね。

カジュアルダウンな着こなしをするときは、着物用バッグにこだわることはありません。お持ちのバッグを着物と合わせてみましょう。意外と素敵な組み合わせを発見できるかもしれませんよ。

涼しく着こなすためのオススメアイテム

夏着物の小物

夏着物を色で選ぶときはブルー系やシャーベットトーンにすると目にも涼やかな着こなしができますね。また帯揚げや帯留め、帯締めを夏らしい色や素材で組み合わせても楽しそうです。ゆるくレース状に組まれた帯締めや、ガラスの帯留めなどの透明色は涼やかで粋に着こなせますね。切子やとんぼ玉の帯留めは夏の小物としてとても人気です。

冠婚葬祭で着物を着用する場合、夏は絽の黒留袖や色留袖、訪問着を着ます。最近は空調が効いている会場も多いため、袷の着物を着用することがあるでしょう。

着物は素材によっては熱がこもりやすく汗をかくこともあるため、夏用の肌着や着付け小物を使用すると快適に過ごせます。夏用肌着では麻や綿、接触冷感素材がおすすめです。

涼しさを演出するためには、着物の色や柄を夏にふさわしい柄から選ぶことが大事です。色留袖や訪問着などは寒色系やシャーベットトーンの色味を選ぶと、目にも涼やかな着物姿になります。

まとめ

夏の着物は織りや色使いが爽やかで、色合いの綺麗なものがいろいろそろっています。着たい着物がたくさん見つかると、どれを着てどんなコーディネートをするか、考えるのもワクワクしますね。

最近は着物を涼しく楽しめるように、着付け小物などはさまざまな工夫がされています。着付け小物を工夫し、夏らしい小物を上手に組み合わせて、夏着物を思いきり楽しみましょう。

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